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「野村ショック」(9/25)

野村HDが5000億円超の公募増資。

 今年3月(約2800億円)に続く、短期間での連続増資は
『自己資本比率規制強化』に備えた動き」、
証券株のほか、メガバンクなども希薄化懸念による売りが殺到。

一方、金融株反転のタイミングは近いとの見方も増加、
 『海外ファンド勢の動向がカギ』

 25日(G20・金融サミット)で、金融危機・再発防止にむけ、
自己資本比率引き上げが示される見通しで、金融株の地合い悪化。

 ただし、金融株は自己資本比率をめぐる新BIS(国際決済銀行)規制導入に対する警戒感だけでなく、
亀井郵政問題・金融担当相の『モラトリアム発言』で、すでに織り込み済み。

 9月に入り、前日まで日経平均が△0.4%上昇に対し、
東証業種別指数で証券13下落)、銀行11、下落)。
野村HD・三菱UFJ<8306.T>の株価純資産倍率(PBR)は1倍以下

 「増資発表の翌日はさすがに売られているが、
これまで、金融株かなり下落、ファイナンス懸念は織り込み済み、。
材料出尽くしから買い戻しの可能性。

 <ヘッジファンドにハイテク買い/金融株売りの動き> 

 半導体や液晶の市況回復期待からハイテク株が堅調だったこともあり、
ハイテク株の寄与度響度が大きい日経平均と、銀行株の影響度が大きいTOPIXの
NT倍率=NIKKEI平均÷TOPIX)=11.12倍と、日経平均優位。
 ITバブル当時の2000年8月以来の水準に上昇。

 背景に「値がさハイテク買い/金融売り」のサヤ取りポジションを組むヘッジファンドが増加」)。
NT倍率がITバブル時のような開きになれば、きっかけ次第で、ポジション巻き戻し可能性」。

 野村の増資にしても、当初の市場の反応は希薄化懸念が先行しているが
「増資の目的は、防御ではなく攻撃」

欧州・社債引き受け事業で、既存顧客つなぎ留め悪影響を及ぼしている
(ムーディーズ)BBB格付けの引き上げ目的。

 最近の、金融機関の公募増資の際の株価動向は、
(増資発表後に下落、公募価格決定から切り返し)のケースが頻発。

「公募価格を低くして、(公募株を安く買いたい)との海外ファンド意向が背景」

東京市場は期末を迎えリスク調整の動きが顕著。

銀行株を中心に利益確定売りが相次ぎ、米株安も加わり日経平均の下げを加速。

 外為市場でも、期末接近による、リパトリエーション(資金の本国還流)の円買い、
債券市場では、預金取扱金融機関による益出し一巡で中長期債の買い観測。

 <野村の増資は自己資本の規制強化に先手、欧米ファンド勢が金融株売り>

 株式市場は、米中古住宅販売戸数が予想外に減少したことを受け米株価続落、
今年2度目となる野村の大型増資発表をきっかけに、期末前の利益確定売りが先行。

欧米ヘッジファンドが国内金融株売り/ハイテク株買いの動きを活発化。
ファンド勢は、アジア株売り/日本株買いを進めていたが、(25日)はその流れが停止。

野村の増資は「金融機関の自己資本規制の強化が見込まれ、
普通株式による大幅増資が必要との見方。

株式の希薄化懸念で証券株、銀行株が大きく売られている。
その上で、金融セクターについては、
「本格景気回復という正攻法ぐらいしかないので、回復は来年後半」。

野村の増資発表でファイナンス懸念が広がっているものの
「長・中期的に景気循環による株価のトレンドが増資で崩れたことはない』

増資による需給の変化は、短期的な株価のアクセントにはなるが、
景気回復を背景にした株価回復の流れに変化はないと予測。

これまでの半年間で、株価は40%程度上昇。
短期間での急激な株価の戻り達成済み、その後の(回復)は時間待ち。

 <BOE総裁発言を嫌気しポンド売り、リパトリの円買いでドル90円後半>
 ドル/円は90円後半に下落。

英ポン/ドルが急落、心理的な節目(1.60ドル)を割り込んだことで、
ストップロスを巻き込んで下げが加速(1.59ドル前半)まで売り込まれた。

前日、キング英中央銀行総裁が、通貨安は輸出振興に寄与するとの見方を示し
「ポンド安容認と受け止められ、ポンドに先安観」。

ポンドは対円でも146円半ばから一時は144円前半まで売られ、
これがドル/円に波及して、下値切り下げ。

輸出企業のドル売りが重なったほか、
上半期末接近によるリパトリエーション(資金の本国還流)の円買いが出て、
ドルは一時90.57円まで下落。

 日米欧の中銀は、金融市場に安定化の兆しが出てきたことを受け、
『ドル資金供給オペ縮小』を発表。
「短期筋の株式・商品(売り)、高金利通貨(売り)/ドル(買い)に発展。

海外市場でのドル上昇の本質は、米株安よりドル供給オペの縮小」。
「各国中銀は、出口へと方向を変えただけで、踏み出してはいない。
このままトレンドがドル買いに転換するかどうかは不透明」。

 <円債は国債先物買いで続伸、中長期債などに買い>
 円債市場は続伸。
株安を背景に流動性の高い国債先物が買われた。
商品投資顧問業者(CTA)など海外ファンドの買いが入った影響で、
中心限月ベースで15日以来、5営業日ぶりの高値圏突入。

「金融緩和策をめぐり、(先進国の中では日本の出口が一番遅い)との思惑もあり、
海外勢が先物を買い上げた」。

月内最終受け渡し日となり、需給不安に乏しかったことも相場を下支え。

「益出し目的の売りに対する警戒感もあったが、むしろ買わないリスクが意識され、
早く債券購入に踏み切っておいたほうがいいとのムードに傾いている」。

「一部預金取扱金融機関からの益出し目的の売りは一巡したとの観測が広がり、
中長期債を中心に買いが入った」)


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