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『格付けの理解と利用』

◇世界株は07年サブプライム問題を契機に急落。日経平均も7000円を割り込み『底値固め』の展開。
低迷相場で『日経平均、TOPIX寄与度上位銘柄』を分析した結果は次の通り。

◇日経平均も米国市場と同様、サブプライム問題を背景に『リスク資産圧縮・逃避』の動きが鮮明。
『株売り・債券買い』『ドル売り・円買いを反映した『債券、為替と完全逆相関相場』を展開。

◇物色は財務健全性と安定収益】に絞られ輸出比率』投下資本利益率』が選別基準。成長性は期待されず、古典的な『PER(株価収益率)』などは全く通用しない。

◇日々のニュースに『(債券)格付け機関』S&P)(ムーディーズ)(フイッチ)の名が出ない日はない。
格付け判定に伴い、相場が大きく変動していることは周知の通り。
この格付けは『デフォルト(債務不履行)リスク判定』であり、倒産確率の推定だが、その正確性が『いい加減』なことを批判するより、相場がそれで動く以上、利用するのが実際的といえる。
尤も、『基準が全く公開されない勝手格付け』のため、投資家は推定するしか方法がないが当方の研究では
『@自己資本比率Aインタレスト・カバレッジBROICROE』と推定される。

◇最重視すべきは『BROI(投下資本利益率)』であり、過去3年分の有価証券報告書(有報)、貸借対象表(B/S)、損益計算書(P/L)』があれば分析は容易。

因みに、(有報;ゆうほう)』は政府刊行物センターでしか入手困難だったが現在はネットで無料閲覧可能であり、絶対利用すべき。新聞の見出しをみる程度の幼稚な四季報の見方はできても、数字が読めないのでは話にならない。ともあれ『格付けを知る事』が現代株式投資で成功する必須条件。

BROI(投下資本利益率)』を、『ROA(総資産利益率)に置き換えても結果はほぼ同様。
以下に、『日経平均、TOPIX寄与度銘柄』の分析結果を示した。

『日経平均』

◇日経平均は『為替の影響を受けやすい輸出関連の値嵩株』の寄与度が大きい。
採用225銘柄のなかで、20銘柄が65%を占める。15銘柄の中13銘柄は『輸出比率50%以上』
・一般に、内需関連と理解されている薬品株も実は為替の影響は大きい。
・ハイテク銘柄は『ROA』が大きく利益率は高いが、為替の影響度はより大きい
・従って、輸出関連は『円高下落は即刻全部売り』。『円安上昇は即刻買いとなりやすい。
留意点は【円高=株売り】が時に【円高・株高】になるが、その条件は【実質金利差】による。
ともあれ、現在は【円高=株売り】【円安=株買い】として作用していることは、紛れもない事実。

◇年末移行も【円高株安(1/22)円安株高(2/04)円高株安(2/12)円安株高(2/27)
を繰り返し、今回も円高株安(3/07)となっている。

◇従って、(ドル/円)【円安】を契機に反発は明白。現在の102円でもほぼ円高過熱感は強いが
【SPT】【3/14日】せいぜい100円割れからの円安反転を示唆

◇狙いは【為替弾性値の大きい】東エレ、アドバン、ソフバン、ホンダ、トヨタ、ファナック
     【為替寄与度の少ない】(ダイキン、京セラ、ファースト、KDDI

『TOPIX』

◇TOPIX銘柄は『輸出比率は低いが利益率も低い』規模が大きい金融株は外債投資でいつも赤字計上。年金でさえ1兆4千億円の赤字計上、日本の金融機関は為替の素人。事業会社も円高損失計上が常。
『為替理論を理解していないか、便乗値上げを利用しているかのどちらか』。

◇元々、『企業規模による事業独占』が利益の源泉であり、便乗値上げと低金利に巣食っているだけ。
『金利敏感株』であり、『業務純益が低い企業が大半であり、『借金企業は財務リスクが大きい』。
現在、『商社、海運、素材』の独占企業のみが堅調だが、『市況高』を反映しているに過ぎない、
従って、『ROAが株価動向を決める。因みに『5541;太平金はROA27.7%』とダントツ。

◇今回の暴落極面では【信用リスク】が最大関心であり、焦点は銀行、不動産。さらに、市況安が追い打ちだが『商社、海運、素材』の反発は必然。

狙いは、【三菱地所、野村、三菱UFJ】【川崎船、商船三井】【任天堂】【物産、三菱商事】

『株を持ち続けるのは死を待つに等しい』

◇景気敏感株である日本株を決定付ける『ボラティリティ(変動性)』は、『為替と金利』によって左右される。つまり、『外需主導、低金利、円安選好』の経済体制を続ける限り、経済拡大、日本株上昇は期待薄。従って、日本投資姿勢は『リターン・リバーサル』手法しか通用しない。

◇『長く持てば何とかなる』などと思ってはならない、世界一低いパフォーマンスを続けている事実が示す。
しかし、嘆くのは早計。先進国中、『最もボラタイルな市場』『儲け易い市場』であり、ヘッジファンドが日本株投資を捨てない最大の理由がそこにある。

◇日本株投資は『噴けば売り、押せば買い』と上げている根拠がそこにある。それが理解できなければ、気の済むまで保有するがよい。持ち続けるだけで儲かるなら、倒産する銀行が出るはずはない。『株は売ったり買ったりする金融事業』である。この1年間の下げ相場でも安値低迷相場でも、儲ける人は儲けている人は多い。半年で2倍3倍にできる』.やるやらないは、自分で決めること。こんなチャンスは二度と訪れないと思うが…

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